昭和31年 

火災前のぼくの住まいは地元の地主の所有であったので、引続き借りたいとお願いしたが、賃貸料が払えないと見なされたのか、断られた。

そのため、僕らは、新たな土地を探していが、お金もなく、働き手のいないぼくらの家族では、見つからない。子ども2人と祖父を抱えた母は、大変苦労していた。
 
幸い、近くの土地の一部を借りることに決まったが、その条件が厳しいために、祖父と母は、大変悩んでいた。
土地を借りるための条件は、現金15万円を無利子で敷金として支払うことであった。悩んだ末、他に適当な土地が無いため、厳しい条件をのみ、契約期間15年で、土地賃貸契約を締結した。

火災で燃えてしまい、自己資金は全くない中、敷金15万円と自分の家を造る建設資金を調達しなければならないため、母は金策に悩んでいたのであった。